女性更年期に良い食べ物紹介:植物性エストロゲン・フィトエストロゲンの効果
ヒルデガルトが間違っていた…
中世ドイツ(12世記)修道院長のヒルデガルトの「女性に良いハーブ」意外、果物、野菜などの食料は大切だと思い、調べました。科学研究に基づき、軽い更年期障害を和らげる飲み物、「更年期に良い飲み物」もあります。科学的根拠のある海外のデータを使い、健康情報を伝えます。
ヒルデガルトのハーブ
目次・Ihnalt |
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1) フィトエストロゲンとは? |
フィトエストロゲンとは?
フィトエストロゲンという言葉の起源はギリシャ語にあります。フィト(PHYTO)の意味は「植物」で+女性ホルモン「エストロゲン」ということです。したがって、フィトエストロゲンの意味は植物性エストロゲンとなります。 化学的に植物性エストロゲンは人間のエストロゲンではありませんが、植物性エストロゲンの化合物の化学構造は似ています。植物性エストロゲンを服用し、複数の条件が揃ったら、人間のエストロゲンと同じ効果がでます。
植物性エストロゲンの大きな二つの誘導体はイソフラボン と化合物のリグナン。
最も有名な植物性エストロゲンはイソフラボンのグループに入っているGenistein=ゲニステイン。ゲニステインが多い植物:大豆、ムラサキツメクサ(和名:アカツメクサ)
Daidzein=ダイゼインダイゼインが多い植物:大豆
Coumestrol=クメストロール クメストロールの多い植物:大豆、クローバー、豆果、芽キャベツ、ホウレンソウ
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植物性エストロゲンの作用・メリット
全世界の植物性エストロゲンの関連研究の結果をまとめます: ・Breast cancer 乳がんになるリスクを下げる ・Prostate cancer 前立腺のがんになるリスクを下げる ・cardiovascular diseases「心血管疾患」の発生リスクを下げる ・Osteoporosis・「骨粗鬆症」(骨密度の低下)対策になる ・Menopausal Symptoms・「更年期障害」を和らげる
植物性エストロゲンの副作用
フィトエストロゲンの大量の服用により、副作用が発生する可能性があります。
・・イソフラボンの大量摂取で更年期の前の女性の生理の長さに影響を与える
・Follicle stimulating hormone (FSH)=卵胞刺激ホルモンの低下
・Luteinizing hormone (LH)=黄体形成ホルモンの低下
大量の植物性エストロゲンが含まれている食品
植物性エストロゲンが大量に含まれている食品は大豆(イソフラボン)とフラックスシード=アマ=亜麻、ヌメゴマ=滑胡麻(リグナン)。 ナッツやハーブにも植物性エストロゲンが含まれていますが、少量です。 カナダのトロント大学研究チームの食品と植物性エストロゲンの研究・調査結果は下記の通りです。表1・リグナンの量 (1 µg = 0.000001 g)
食品 |
リグナンの量 (µg/100g) |
合計・植物性エストロゲン (µg/100g) |
野菜 |
||
1.大豆 |
2.2 |
789.6 |
2.ニンニク |
583.2 |
603.6 |
3.南瓜 |
113.3 |
113.7 |
4.豆(緑) |
66.8 |
105.8 |
5.ヤセイカンラン |
97.8 |
101.3 |
6.ブロッコリ |
93.9 |
94.1 |
7.キャベツ |
79.1 |
80 |
果物 |
||
1.ドライ・プルーン |
177.5 |
183.5 |
2.桃 |
61.8 |
64.5 |
3.イチゴ |
48.9 |
51.6 |
4.ラズベリー |
37.7 |
47.6 |
5.スイカ |
2.9 |
2.9 |
ナッツ・シード |
||
1.ピスタチオ |
198.9 |
382.5 |
2.栗 |
186.6 |
210.2 |
3.クルミ |
85.7 |
139.5 |
4.カシューナッツ |
99.4 |
121.9 |
5.ヘーゼルナッツ |
77.1 |
107.5 |
6.レンズ豆 |
26.6 |
36.5 |
1.赤ワイン |
37.3 |
53.9 |
2.緑茶 |
12 |
13 |
3.白ワイン |
8 |
12.7 |
4.紅茶 |
8.1 |
8.9 |
5.コーヒー(0カフェイン) |
4.8 |
5.5 |
6.ビール |
1.1 |
2.7 |
パン |
||
1.ライ麦パン |
142.9 |
146.3 |
表2・イソフラボンの量 (1 µg = 0.000001 g)
食品 |
イソフラボン (mg/100 g) |
1.大豆の粉 |
172.6 |
2.枝豆 |
48.9 |
3.味噌 |
41.5 |
4.豆腐(絹) |
23 |
5.アカツメクサ |
21 |
6.豆腐(木綿) |
18.0 |
7.ブロッコリー |
0.25 |
8.フラックス・シード |
0.07 |
9.日本の緑茶 |
0.02 |
情報源:
Thompson LU1, Boucher BA, Liu Z, Cotterchio M, Kreiger N. Phytoestrogen content of foods consumed in Canada, including isoflavones, lignans, and coumestan. Nutrition Cancer. 2006;54(2):184-201.
(Department of Nutritional Sciences, トロント大学、カナダ)
・Heather B. Patisaul* and Wendy Jefferson, The pros and cons of phytoestrogens, Front Neuroendocrinol. Published online 2010 Mar 27
・Cassidy, A. Potential risks and benefits of phytoestrogen-rich diets. 2003 Mar; 73(2):120-6. (Biosciences Division, Unilever Research, UK)
・Tham DM1, Gardner CD, Haskell WL. Clinical review 97: Potential health benefits of dietary phytoestrogens: a review of the clinical, epidemiological, and mechanistic evidence, J Clin Endocrinol Metab. 1998 Jul;83(7):2223-35.
(Stanford Center for Research in Disease Prevention, スタンフォード大学医学部、カルフォルニア、USA)